CDA2次試験「カウンセリングの基本プロセス(コーヒーカップ方式)」
立春を迎えたとたん今日はポカポカ陽気でした。
さて、ロールプレイ・トレーニングは順調に進んでいますか?
ほとんどの方が手応えが感じられない思いで苦労されているのではないでしょうか。
そこで今回は諸富祥彦 著「新しいカウンセリングの技法」のカウンセリングの基本プロセス(コーヒーカップ方式)を紹介します。
皆さんは上図の①関係形成期と②自己探索期と③行動計画期の意味はおわかりですね。
今回はCDA2次試験に求められている①関係形成期と②自己探索期の話です。
まず、「カウンセリングとはCLが自分の心の声に耳を傾けることによって自分を取り戻して行く。そのプロセスのことを言う。(ロジャーズが語る自己実現の道)」
つまりCDAはCLに寄り添い関係を構築し、自己探索で自分を振り返り、自分に気がついていくプロセスが求められています。
次の逐語録から考えてみましょう。
CDA:上間さん、今日はどのようなご相談でお見えでしょうか?
CL1:そうですね。入社がこの4月だったんですね。(はい)で、車の営業マンとして(えぇ)そろそろ半年たつんですが、(はい)、もう、自分、向いていないんじゃないかなーと感じているんですよ。
CDA1:4月に入社され車の営業マンに就かれ、そろそろ半年が経つのですね。
それで、ご自分は向いていないと感じておられる。もう少し詳しく教えていただけますか?
CL2:そうですね。あのー、元々は、人と接するのが好きなんですね。(あぁ)
そういうのが営業かなと思って、いろいろ就活して、運よく車の営業マンとして採用されたんですよ。
それがですね、実際にやってみると、少し何か違うなーと感じてるんですよ。
CDA2:上間さんは、人と接するのがお好きなんですね。
それで営業職を目指していたところ「運良く」ですか?車の営業マンに採用された。
しかし、実際やってみると、少し何か違うと感じていらっしゃる?
少し何か違うとは?
①関係形成期の対応
・CL中心療法でCLを「受容」すること
・CDAの「心をこめた伝え方」
例えば
「4月に入社され車の営業マンに就かれ、そろそろ半年が経つのですね。(気持ちを込めて)
それで、・・・ご自分は向いていないと感じておられる。・・・(間)・・・もう少し詳しく教えていただけますか?」
「上間さんは、人と接するのがお好きなんですね。(気持ちを込めて)(そして少し「間」を置く)
それで営業職を目指していたところ「運良く」ですか?(問うように)車の営業マンに採用された。(確認するような気持ち)
しかし、実際やってみると、少し何か違うと感じていらっしゃる?(確認するような気持ち)
・・・(間)・・・少し何か違うとは?」
関係構築を築けてくると徐々にCLの中に入り、自己探索や経験の再現によって気づきを促します
②自己探索期の対応
《自己探索を深める言葉》
・少し違うとはどういう意味ですか?
・営業職に向いていないとはどういう意味ですか?
・どうして営業職につかれたのですか?
・運良く営業に就いたとはどういう意味ですか?
《経験の再現を促す言葉》
・この半年どんなふうに営業をされているのですか?
・元々人と接するのが好きとは何かあったのですか?
・営業職に向いていないと思うようになったのはいつ頃からですか?
・営業職に向いていないと思うことがあったのですか?
そしてCLの発した言葉を丁寧に「共感的理解」と「一致」でCLを受け止めてあげてください。
例えば
「CDA:少し違うとはどういう意味ですか?」
「CL:入社してすぐに上司と同行して営業するのですが、(えー)上司は口八丁手八丁でお客に売りつけるんですね。(はい)
お客が200万円の車が欲しいと言えばオプションをあれやこれや付けて、結局280万円で売るんですよ。(んーん)
その上司のやり方に何か違和感を感じるんです・・・・(んーん)」
「CDA:上司が口八丁手八丁ですか?お客の要望以上に口車に乗せて高く売りつけるやり方に違和感を感じていらっしゃるのですね。
上間さんは『そんなのは営業じゃない、お客のニーズをしっかり聴き、その客に相応しい車を売って喜んでいただくこと』と思っていらっしゃるのですね」
「CL:えー!そうなんです!私には上司の営業のやり方に納得できないんですよ。(そうなんですね)」
このようなロープレによってCDAはCLの内面世界に少しづつ沈潜していくことが求められています。
いかがでしょうか?
(つづきはこちら)