Q1ー6:動機付け(MI)面接について教えて?
A1-6:お答えします。
2級技能士第32回学科試験、論述試験が終わり、今週末あたりから面接試験が始まりますね。
最後の最後まで粘り強く頑張ってください。応援しています!
今日は学科試験についてですが、結構難しかった印象を受けました。
その中のミラーとロルニックが開発した「動機付け面接(MI)」が今日のテーマです。※1級技能士問題解説集抜粋
1.動機づけ面接は、ロジャーズの来談者中心的アプローチの歴史的系譜に位置づくものであり、来談者中心的な面と、準指示的な面の両方を有するものであるが、伝統的なロジャーズ流のアプローチとは指示的な面に違いがある。
2.動機づけ面接は、相談者の中にある矛盾を拡大し、両面性を持った複雑な感情であるアンビバレンス(同じ対象に相反する感情を同時に盛ったり、交互に抱いたりすること)を探って明らかにし、矛盾を解消する方向に相談者が向かうようにしていく。
3.動機づけ面接ではアンビバレンスこそが動機づけにつながる源泉であると考え、これを相談の中で丁寧に浮き彫りすることによって、相談者の矛盾を解消したくなるエネルギー、つまり動機づけを呼び覚まし、行動を自ら変えていく方向に持って行くことができる。
4.動機づけ面接には①共感表出、②矛盾模索、③抵抗転用、④自力支援という4つの原則がある。
①共感表出:共感を表現する。振り返りの傾聴を行い、クライエントを受容します。そしてその人が変わることを促進します。
②矛盾模索:矛盾を拡大する。変わりたい自分と現実の自分とのギャップに気づいてもらう。行動をかえることの価値を本人から気づいてもらう。
③抵抗転用:抵抗に巻き込まれ転がりながら進む。相談者の変わりたくないという気持ちやためらい、本音と建て前を否定せず、それを自然なことであると肯定しながら、相談者の言葉に込められた"できれば変わりたい(だけど難しい)"というニュアンスのうち、"できれば変わりたい"に焦点を当てていくようにしていく。やりたくないことを無理やりやらせることはない。
④自力支援:自己効力感を援助する。クライエントの自己決定を尊重し、自信をもってうまく変わっていけるように援助する。
5.動機づけ面接のスピリット(基本哲学)として、自律、協働、喚起があり、すべてに 通底する土台となっている。
動機づけ面接の主たるゴールは、相談者と支援者の間の信頼関係を確立し、自己動機づけ発言を引き出し、それによって変化に必要な実際の行動計画、随行を導くことにある。
私は、特に「来談者中心的な面と、準指示的な面の両方」のところが印象に残りました。
キャリアカウンセリングにおいて、気付きを促す以上に悩みの中の「アンビバレンスを明らかにし、矛盾を解消する」ところが、準指示的なのでしょうね。