CC2級論述試験の傾向の振り返り②

2023年10月02日 17:30

CC2級第31回試験申請手続きの締め切りが明日ですね。
さて、今日は前回つづきで論述試験の「傾向」を私になりに振り返ってみたいと思います。

■ 目標と具体的な方策について

①相談者が学生の場合に陥りやすいことかもしれませんが、「指導する、教えてあげる」というような評価的な視点とも感じられる発言が散見されたことが気になりました。

②方策について、この相談者に合致しないと感じられる理論の引用やアセスメントの 活用に関する解答も多く見受けられました。キャリアコンサルタントは知識を身につけることも大切ですが、それは相談者を支援するためのものであることを忘れてはならないと思います。この相談者にとって、設定した目標やその方策はどのよう な効果を期待できるのか、という視点も必要ではないでしょうか。

③今期のケースでいうところの就職活動という、登ったことのない大きな山を目の前 にした相談者に対し、ジョブタグ、キャリアインサイト、VPI 等を薦めることは方策としては考えられることではありますが、ツールありきになってはいないでしょか。先ずは相談者が今どのような状況にあるのかを検討した上でその時の状態や変化に合わせた具体策を考えると、より相談者の役に立つと考えます。

〈上記の振り返り〉

① 目標でも方策でも「指導する、教えてあげる」の言葉は絶対に使いません。
・目標で使う言葉としては主語が相談者ですから「不安を解消し」「明確にし」「自律的に行動できるようになること」。また、大学3年生ですから「活動を通し成長する」「就職後のありたい姿」もいいですね。

②方策の考え方は、相談者を目の前にしてカウンセリングをするように展開します。
・CCの意図としては「関係構築を深める」「ラポールを形成する」「不安を解消し、冷静さを取り戻して頂く」「一緒に整理し」「ヒアリングを行い」「インタビューし」「自己理解を深める」etc
・後半でやっと「提案する」「相談するよう促す」「行動変容を促す」etc

③また、ツールありきにならないよう②にプラス、「必要に応じ」と前置きし、「VPI職業興味検査」「GATB」の活用、「学生用ジョブ・カード」、仕事理解等には「job tag」を紹介する。

■その他

①文章が冗長的で何を伝えたいのか理解しづらい解答が散見されたことが気になりました。特徴としてはどのケースにも当てはまりそうな一般的な用語を何とか当てはめようと苦労したあとが見られ、結果、今回の学生の事例から離れてしまっているようにも感じられました。

②また「傾聴」「価値観」「情報収集」などの用語で、キャリアコンサルタントであれば間違えてほしくない漢字の誤りが多いことも気になりました。相談において面談記録を適切に残すこともキャリアコンサルタントの重要な役割の一つと考えますので、その力もつけていただきたいと思います。

〈上記の振り返り〉

①転職やセカンドキャリアといった社会人の問題とは違い、学生特有の問題として「将来のなりたい姿」が見えず、「職業観」浅く「就職活動」に実感がないことを念頭に、CLの「努力している点」「気づいていないが光もの」に着目することが特に必要だと思います。

②誤字脱字は間違いなく減点されますので、制限時間の5分前に見直すだけでかなり防げると思います。

以上ですが、いかがでしたでしょうか?

論述対策で苦労されている方は「スカイプ塾」に来塾し、添削指導以外に面接試験対策を行っていますので、お待ちしています。