Q4-12:気付きを促す自己探索の支援とは?

2024年08月20日 08:17
A4-12 お答えします。

今回は「相談者に伝える相応しい言葉(2):気付きを促す自己探索の支援」です。

以下のケースは悩みが深いケースではないかと思いますが、CLは問題を外に向けています。

CL:同期の男性は2,3年前に課長に昇進してるのですが私は、ずっと9年間係長のままなんです。

実績も上げてきたつもりなんですけど、評価されてないと思うし、納得できないんです。

このまま係長として働き続けるのは、不本意だなと思って相談にきました。

具体的にはCLが訴えた問題はまとめると以下のような点ですね。

①同期の男性は2,3年前に課長に昇進してる 私はずっと9年間係長(女性)のまま

②実績も上げてきた 評価されない 納得できない

③係長として働き続けるのは不本意

詳しく見て見ると以下のように問題を外に向けていることが分かります。

①は同期の男性の課長(と比較して)問題を外に向けています。

②は実績も上げてきた ことに対し (上司から)評価されない それが納得できない と問題を外に向けています。

③係長(という身分)として(この会社組織の中で)働き続けるのは 不本意 と問題を外に向けています。

まずは、関係性を築きながら、一つ一つどうしてそう思うのか丁寧にカウンセリングをしますね。 

そして、徐々に主訴が見えてきたときに、CLの関係性が深まったときにはじめて、問題をCLに向けるように投げかけをします。
これが自己探索の支援ですね。または気付きを促す言葉です。

まず、「同期の男性は全員課長になられているのですか?」「女性で課長になられた人はいらっしゃいますか?」と優しく問います。

事情が分かってくると「どうして同期の男性が課長になられているのでしょうか?」かと気付きを促し、問題をCLの内に向けます。

まず、「どのようなことに実績を上げられてきたのですか?」「その時、評価についてはどうのように思われたたれたのですか?」また「納得できないことがいろいろあったのでしょうか?」と優しく問います。

事情がわかってきたら「評価されないと思われるのは誰に対してそう思うのでしょうか?」と気づいていない問題を絞り、自己探索の支援を行います。

まず、「係長として働き続けるのは不本意と思われているのは、何かあったのでしょうか?」と優しく問います。

事情が分かってきたら「キャリアプランについて何か考えられているのですか?」と本人の思いをきけたら「係長から課長になるための仕組みはどうなっているのですか?」と気づいていない問題(人事制度、ポストはあるのか)に気づきを促し、自己探索の支援を行います。

簡単ではありませんが、しっかりとCLの思いに寄り添い関係性を築き、CLの問題が見え、CLが大切にしてきた自己概念・キャリアアンカーが見えてきたとき、本人の訴えた問題(外に向けての矢印)を自分の問題(矢印を内に向ける)に気づくように自己探索の支援をおこなうことで、行動変容を起こすこと。これがキャリアカウンセリングですね。
この後にまだキャリアコンサルタントとしてやることが残っています。
それは、面接試験のロールプレイの15分では時間的にできないケースが多いので、口頭試問でキャリアコンサルタントとしての力を試されます。

いかがでしょうか?