Q3-10:2級技能士面接試験 クライアントにどう深く自己一致するか?(2)

2023年12月09日 08:27

A3-10:お答えします。

今回は第32回の面接試験の関口さんのケースを一緒に考えてみましょう!

Q3ー9をテンプレートに当てはめてみます。

来談目的の「今後のことをどのように考えればよいのか、迷っているため相談したい。」は最後まで忘れず、これを道しるべにしてください。

1.大きな問題から捉え関わる。「65歳までは勤務できるが、その後は何をすればいいのか不安に思い始めたところ、華道の先生から『師範を目指してみては』と声をかけられた。」

ブリッジスは何かが終わることが転機の始まりと言っています。

◎目の前のCLを前にして、リアル感を持って、思いやりを持ってやさしく、自己一致の姿勢で関わり(問いかけ)ます。

・自己一致の姿勢
現在61歳で4年後の65歳まで勤務するつもりがあるのかないのか?
65歳以降はどのように過ごしたいのか?
その後は何をしたいと考えているのか?
不安とは具体的にどんなことか? 経済的、健康、仕事の喪失感、キャリアライフプラン
華道の先生から声をかけられどう思ったか?
どういうご縁で声をかけられたのか?
華道の師範をどう思っているのか?

・「今ここ」のリアル感
今61歳でこれからについてどう思っているのか?
華道の先生からいつ声をかけられたのか?
華道の先生にいつまでに返事をするのか?

2.次のCLの問題は「小学校の教員を定年退職後も、再任用で定年時と同じ小学校に週2日程度勤務している。」

・自己一致姿勢
今の仕事をどう思っているのか? やりがい、自己概念
小学校校のなぜ教員になったのか?
小学校の教員の時代はどういう思いで過ごしてきたのか?
定年退職後もなぜ、再任用で同じ小学校に勤めているのか?

・リアル感
フルタイムから週2日程度の勤務になりどう思っているのかどうか?
54歳で教頭になり、60歳で定年退職にどう思ったか?

3.最後の問題は「最低でも70歳までは働き続けたいと思っており、今後のことをどのように考えれば良いのか、迷っている」

・自己一致の姿勢
最低でも70歳とはどんな意味があるのか?ないのか?

・リアル感
最低でも70歳まではとはもっと働いても良いのか?

以上です。

面談を進める中で、かなりの部分で自己一致が進んで行き、問題が絞られると思います。

来談目的の「今後どうのように考えれば良いかわからない」の答え(方向性が近い!)がCLに浮かび、同時にCCにも見える。(これこそが自己一致です。)

キャリアコンサルタントはクライアントに気づくように関わることで、クライアントが冷静になって考えられるようになる(意識変容)と思います。

是非、ロールプレイで身につけ面接試験の中でこのような関わりができるようになって頂きたいと思っています。

先日、広島白島塾の仲間の勉強会で「自己一致」は浅いところからさらに深められる力が技能士には求められていることが分かりました。

これからも一緒に頑張りましょう。