Q1ー5:リフレーミングの活用について教えて?
A1ー5:お答えします。
リフレーミングの活用について
●相談者:小林新一 61歳 家族:妻(55歳 書道教室主宰)と同居。長女(26歳)は独立して別居。
四年制大学卒業後、大手消費材メーカーに入社。定年退職後、現在の会社に再就職し、1年半。
相談したいこと:定年退職後は、OBの紹介で健康食品会社へ再就職した。待遇など条件は悪くはないが、仕事の進め方になじめず、モチベーションが下がっている。今までの経験を活かしながら働けるうちは働きたいので、転職した方がいいという思いもある。どう考えればいいのかわからないため、相談したい。
◆序盤:来談目的から主訴(できるだけ忠実に再現)
相談者は海外事業の経験を買われ、海外進出を目指している健康食品会社へ海外事業部長として再就職した。
そこでは、海外事業部を立ち上げるための企画書を作成し、途中社長が相談役に退き、全面的に息子が社長を引き継いだ。
一年をかけ海外事業部の企画書を書き上げ、社内での説明会を重ねた結果、承認が得られたので稟議書(予算措置)にした。
それから、稟議書の承認手続きが進んだが、最後に若社長から承認の印鑑がもらえず3ヶ月が立ち現在に至る。
その間も役員会議で説明会は開いてきたが、社長の承認が得られない状況が続いている。
それが来談目的の「仕事の進め方になじめず、モチベーションが下がっている。今までの経験を活かしながら働けるうちは働きたいので、転職した方がいいという思いもある。どう考えればいいのかわからないため、相談したい。」理由であった。
◆中盤:転職について
私「転職を考えられておられますが、稟議書が承認されたらどうされますか?」
相談者「勿論、海外事業部を立ち上げたい。前の会社で継続雇用の選択もあったが、チャンスと思い今の会社に再就職した。」
と相談者の「今の海外事業部を立ち上げたい」強い思いを聞くことができた。
◆さて、ここから私が行ったリフレーミングです。
1.環境面 相談者が以前勤めていた会社は大手で、海外事業部の立ち上げ企画書の承認で苦労した経験はあったが、稟議書の承認までの行程は比較的スムーズであったこと。
2.立場・責任 現在の会社の社長は40代半ばで会社を引き継いだばかりで経験が乏しく、しかもオーナー社長であることは?
3.世代間ギャップ(価値観) 社長だけでなく、会社の役員、事業部長も若くコミュニケーションの取り方は?
4.プライド 若社長との間に確執はなかったか?
◆終盤
1.環境面→2.立場→3.世代間ギャップ(価値観)→4.プライド の順に進め、相談者に振り返って頂く。
私「ここまで、いかがでしょうか?」
相談者「そうですね・・・・・・(少し苦しそう)」
私「何か言い足りないことはなかったでしょうか?」
相談者「そうですね・・・・・・・(振り返えられる)」「前職とは全然違いますね?」
私「前職と全然違うとは?」
相談者「会社の規模、企業文化も違うし・・・私の立場も違う・・・」
私「それをどう思いますか?」
相談者「今の若社長は正直よく知らないですね」
私「よく知らない・・・とは?」
相談者「む~1対1で話したことはありませんね。」
私「小林さん・・・心を開く・・・できそうですか?」
相談者「・・・できるかな?」
私「(社長に)歩み寄ることはできそうですか?」
相談者「こちらから何が問題なのか、真摯に社長に向き合う・・・ですね・・・やってみます!」
以上のような行動変容(意識変容)がありました。
◆クロージング
私「これから社長さんと話す機会を持たれた後に、次回の面談でどうだったかお聞かせ願いますか?」
相談者「わかりました。とにかく社長と話してみます。また、面談をお願いします!」
◆余り
残り数秒でしたが、ライフプランで奥様のことを伺うと「大丈夫です!」でブザーが鳴り終了しました。