JCDA国家資格キャリアコンサルタント試験合格基準公表

2016年05月14日 09:29

JCDA国家資格 キャリアコンサルタント試験合格基準の一部が公表されましたね。

実技試験(論述試験、面接試験)は150 点満点で 90 点以上の得点。
ただし論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の
「主訴・問題の把握」
「具体的展開」
「傾聴」
のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要

ちょっと紐解いてみましょう。
実技試験は150点満点で90点以上(60%)が合格になります。
また、論述試験、面接試験の評価区分がそれぞれ40%を下回ったら不合格になります。

配点を以下のように仮定しますと、

・論述試験:40点満点
・主訴・問題の把握:40点満点
・具体的展開:30点満点
・傾聴:40点満点

それぞれ、1つでも40%を下回ったら不合格とは、

・論述試験:16点以上
・主訴・問題の把握:16点以上
・具体的展開:12点以上
・傾聴:16点以上

それぞれ上記点数を1つでも下回ると不合格と言う意味ですね。

例えば
EX1)
・論述試験:20点
・主訴・問題の把握:30点
具体的展開:10点
・傾聴:30点
合計90点は合格点ですが、具体的展開が12点(40%)を下回っているため不合格です。

EX2)
論述試験:10点
・主訴・問題の把握:30点
・具体的展開:20点
・傾聴:30点
合計90点は合格点ですが、論述試験が16点(40%)を下回っているためこれも不合格です。

EX3)
・論述試験:20点(50%)
・主訴・問題の把握:20点(50%)
・具体的展開:20点(67%)
・傾聴:30点(75%)
合計90点でいずれも40%以上ですので、これは合格ということです

点数だけを考えると何とかなる気がしませんか。

次に評価区分を説明します。
「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」

この「具体的展開」をキャリコン2級ではこんな説明があります。

「相談者との関係性を意識しながら面談を進め、相談者の訴えを理解した上で適切な目標を設定し、キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、対応できることで、相談者に気づき、変化(問題に対する認知の変化、自分または重要な他者に対する認知の変化、自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など)が起こること。」

注目は「目標の設定」「キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択」「相談者に気づき、変化が起こること」の部分です。

マイクロ技法の面接の5段階は
1.ラポール/構造化
2.問題の定義
3.目標の設定
4.選択肢を探求し不一致を対決する。
5.日常生活への般化
ですね。

これと比較すると
「傾聴」→1.ラポール/構造化
「主訴・問題の把握」→2.問題の定義
「具体的展開」→3.目標の設定 4.選択肢を探求し・・・

ではないかと思います。

思い出して下さい。
口頭試問で「この先50分続けるとしたらあなたはどう進めますか?」と問われましたね。

「ご主人に迷惑をかけたくない思いを尊重しつつ、辞めることで同僚に迷惑をかける気持ちも大切にし、
退職を視野にどういった選択肢が考えられるのか、一緒に考えたいと思います。」
初めてのロールプレイの手引きー口頭試問より

と答えれば良かったのですが、今回の面接試験のロールプレイ15分の中で示さなければなりません。
つまり、「目標を設定し、キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択する」ことだと思います。
断言できませんが「相談者に気づき、変化が起こること」まで求められているとは思いません。

・キャリアコンサルティングが理論的(論述試験と口頭試問)にわかっていること
・それをロープレ15分で示すこと

ただし、CLによっては、「具体的展開」が困難な場合があるかもしれません。
「理論的にわかっていること」、「努力しいること」として「60%ではなく40%を下回らないこと」と言っているのかもしれません。

しかし、CDA2次試験よりキャリアコンサルタント実技試験の方がハードルが上がっていることは間違いないでしょう。

次は論述試験の中身について考えたいですね。

大変でしょうが頑張りましょう。応援しています。