CDA2次試験「伝え返し」との出会い

2015年07月11日 11:06

私の悪い癖は
「まずCLの置かれている状況を知りたがる」
「自分の経験に基づいてCLに確認しないで想定で話をしてしまう」
「自分の価値観や経験がCLと相違があると無視して進めるか、拘ってそこに留まってしまう」
どうしてもCDA中心に進めてしまうことでした。

そんな中でCDAの仲間から「伝え返し」を薦められました。

その前に「伝え返し」について以下のブログで紹介しています。
「伝え返し」ロジャーズの論文はこちらをご覧ください。
「伝え返し」の意味はこちらをご覧下さい。
もう1つが「CDA2次試験「共感」について補足」に「伝え返し」のことが少し書かれています。

さて実際のロープレで「伝え返し」を説明します。

プロフィール:
桐原昭夫(きりはら あきお)40歳
妻と中学1年の娘と3人暮らし
高校卒業後大手のスーパーに22年勤務

CDA:桐原さん、今日はどういったご相談でいらっしゃったんでしょうか?
CL1:はい、まぁねあのースーパーに勤めてるんですね(はい)まぁーいわゆる大手のスーパーなんで(ええ)えー誰でもわかるスーパーなんです(はい)
それで、そこで高校を卒業して22年間勤めてます(はい)
でー今は店長やってるわけですね(ええー)
で、最近ですねーどーもあの、コンピューターによるですね、商品管理がはいってきていましてね(ええ)
・・(沈黙1秒)なかなか馴染めないですねー(うーんん)

CDA1:大手のスーパーにお勤めされていて(ええー)店長さんをやってらっしゃるんですね(はい)
だけど最近コンピューターがいろいろ入ってきて(うーん)、
ちょっと困ってらっしゃるという事でしょうか?

これは「伝え返し」の悪い例ですが皆さんはおわかりですか?

・「高校を卒業して22年間勤めている」←キャリアが拾えていない、「はげまし」にも通じる
・「商品管理が入ってきて」←馴染めない理由をCLの言葉で拾えていない
・「なかなか馴染めない」←「感情」を正確に拾えていない
・「ちょっと困ってらっしゃるという事でしょうか?」←CLの言っていないことを伝えている

次が「伝え返し」の良い例です。

CDA1:桐原さんは、高校卒業後大手のスーパーに就職されて22年間勤務し、
現在は店長をやっていらっしゃるんですね。
しかし、最近コンピューターによる商品管理が入ってきてなかなか馴染めないでいらっしゃると・・・
もう少し詳しくお話を伺えますか?

CLの言ったことを正確に拾い伝え返していますね
このことでCLはしっかり受け止められたと感じ、関係構築がスムーズにスタートできます
また、最後の「もう少し詳しくお話を伺えますか」は重要です。
CLは不安や不満で一杯で頭がまとまっていません。
この開かれた質問「CLの話したいところからどうぞ話してください」の意味で次の展開につづく重要な言葉です。

さて「伝え返し」の効用は
・CLの言葉をそのまま使うことでCLに寄り添って話しを進めることができる
・CLの言葉をそのまま使うことで脇道に逸れる恐れが少ない
・CLの言葉をしっかり受け止めることができ、記憶の定着が進む
・CLの言葉に集中し専念することで次の質問などよけいな事を考える必要がないので楽だ
・CLの言葉を受け止め自分の心と比較し違和感があればそれを言葉で確認する
・特にCLの考え、感情を受け止めることでCLの考え、価値観が見えてくる

まとめますと
◎CLの傾聴が進む(これまで以上傾聴ができる)
◎CLの肯定的尊重が進む(これまで以上受容できる)
◎CLと共感的理解が進む(これまで以上共感できる)
◎CLと自己一致が進む(これまで以上一致ができる)
◎結果としてCL中心に進めることができる
◎結果としてCLとの関係がとてもスムーズに関係構築できる

良いことずくめでしょ?

CLの言葉に集中できない方、
中盤になるとCLが初めに言った言葉、来談目的をすっかり忘れて口頭試問で答えられない方、
CDA主導に陥る方、

少し時間は掛りますが、是非身に付けていただきたいと思っています。
では!

(次は口頭試問へ)