第6回キャリアコンサルト試験「ロールプレイ(練習)について」
台風18号が接近し、ここ広島も暴風雨に入るので、過ぎ去るのをじっと待つのみですね。
さて、第6回キャリアコンサルト面接試験に向けたロープレ練習を始められていると思います。
ほとんどの方がCL役の時、自分の過去を題材に練習されています。
養成講座ではしかたないのですが、これからのロープレ練習は自分の事を題材にしない方が良いと思います。
そこで、河合隼雄著「カウンセリングの実際問題、第7章第一節カウンセラーの訓練、2ロールプレ」から抜粋し紹介します。
まずロールプレイで大切なことはクライエントとなる人は自分の問題を言うべきではないと思います。
ロールプレイというのは、何かの役割を演ずるということです。
自分の問題をそこで言ってはならない。
クライエントは自分以外の人にならねばならない。
というのは、自分の問題を言いますと、ロールプレイでありながら自分の問題を言いたくないことまで言ってしまったり、あるいは、その場の調子で言ってしまったのだが、帰ってからいやになったり、恥ずかしくなったりというのがずいぶんあります。
そういうのがありますので、自分の問題を話してはならない。
つまり、自分の問題というのは、やはり自分でカウンセリングを受けるか何かで解決すべきで、そう見世物のように皆の前に出すべきではない。
われわれがカウンセリングをしているということは、個人の尊重、個人の内的世界を尊重するということを、絶対に大切なこととしているわけですから、そういう他人の内的世界を尊重する人が、自分の内的な世界を尊重できないというのは矛盾した話で、やはり、自分の問題を大切にしなければならない。
そう公開する必要はありません。
しかし、他人になったといってもやはり自分です。
これは経験された方はお分かりかと思います。
他人になりながら自分がそのなかに入ってゆくことには意味がありますが、まったく自分そのものではないという点で、無意味な危険性を除くわけです。
次にもうひとつ、ロールプレイをあまりやりますと、よくないことがでてきます。
それはどうしても「遊び」が入ってくることです。
少しカウンセラーを困らせてやろうというようなつもりになって、クライエントが無理に黙ってみたり、いろいろむずかしいことをやって困らせてやろうということになります。
これは、あまり練習にはなりません。
というのは、そんな遊びをするクライエントはいませんから。
もちろんクライエントが黙るときはありますが、これは困らせてやろうと思って黙っているというようなロールプレイとは違う黙り方ですから。
遊びのロールプレイがうまくなっても、むしろ本物から離れるばかりですからやらない方がよろしい。
そういう点で、ロールプレイをするときは指導者が必要です。
いかがでしょうか?
合格(フォルダー)したから指導ができるわけでもありません。
指導者とは
・キャリアコンサルタントとして自らCC役の 手本が示せること。
・フィードバックは理論をベースに説明ができること。
しかし、実際、指導者のいるロープレ勉強会の機会はなかなか取れないと思います。
・できるだけフォルダーを入れる。
・受験生同士は決してアドバイスをしない。
・キャリアコンサルタント役はクライエント役からのみ感想を聴く「話しやすかった」「もっとここを聴いてほしかった」など。
でも、キャリアコンサルタントとしてのCLに対する姿勢、意図など、理論を知っておくことは必須です。