熟練CDAの逐語録は参考にならない?!

2016年05月08日 17:46

5月の連休も最後の日になりましたね、いかがお過ごしでしたか?

さて、国家試験の実技試験の内容がまだ公表されていませんが、待っているわけにはいきませんね。
今日は熟練CDAの逐語録はほんとうに参考になるのか考えたいと思います。
結論から言うとほとんど参考になりません。

以下の逐語録をご参照ください。

CL1:現在の仕事が、非常につらいんですよこの仕事を終えたら、もう会社を辞めたいなって思っています。

CDA1:辞めたい、それは?

皆さんはいかがでしょうか?

①非常に深刻な状況にもかかわらず、感情を拾っていませんね。
②インテーク面談なのにこれで「受容」していると思いますか?
③大切な来談目的を伝え返していません。
受験者の方には、私ならこう伝え返すように教えます。

CDA1:○○さんは、現在のお仕事が非常につらく、(少しゆっくり)この仕事を終えたら、もう会社を辞めたいなって思っていらっしゃるのですね。・・・(ゆっくり)
もう少し教えていただけますか?

つづけます。

CL2:ええ、実はですね私は今、人事部にいるんですが、この半年間で約100名の人員削減の命令が出て、面談に追われているんですよ・・・

CDA2:面談ではどんなことを?

この辺りも、受験生には「受容」「共感」「一致」の姿勢で臨むことを教えます。例えば

CDA2:○○さんは今、人事部におられるんですね、(少しゆっくり)この半年間で約100名の人員削減命令が出て、面談に追われていらっしゃる・・・(少し間)
面談はいかがですか?

伝え返し、開かれた質問で返します。

いかがですか?熟練CDAの逐語録では受験生にはほとんど参考にならないと思っています。
もし、本番に臨み、皆さんが「辞めたい、それは?」「面談ではどんなことを?」を言ったとしたら、CLは話してくれるでしょうか?

では、熟練CDAの話し方は間違いなのでしょうか?
いいえ、逐語録にはCLを包み込むような「言葉の抑揚」、「間」、「相づち」の他、「視線」、「姿勢」が書かれていないからです。

私はロジャーズの「CL中心療法」を身に着けることが基本だと思っています。
そしてマイクロカウンセリング技法の「かかわり行動」「かかわり技法」を身に着けることです。

CDA熟練者の逐語録を手本にする必要はありません
試験は満点を取る必要はなく、基本をしっかり身に着けて合格することです。
また、合格はCDAとしての通過点に過ぎないことを謙虚に受け止めることも忘れないでください。

頑張りましょう、応援しています。