キャリアコンサルタント「難しいクライエントのアプローチ」
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
早速、難しいクライエントのアプローチについて考えたいと思います。
1.どのように進めて良いか分かりずらいクライエント。
2.世代間ギャップがあり近寄りがたいクライエント。
3.異性間ギャップがあり踏み込めないクライエント。
今日は1について考えて見ます。
塾生さんとは毎回登場する例の塩沢さんのケースです。
プロフィール:男性35歳、四大法学部卒、派遣会社で8年務め、現在郵便局でアルバイト5年目の人です。
CL:私は派遣会社で8年務めた後、今は、郵便局でアルバイトを5年やっています。
実は父が今年3月一杯で定年退職になる話を母から聞いて、自分も正社員として安定した仕事に就きたいので、どしたらなれるのか、何が向いているのかわからないので相談に来ました。
【アプローチ1:真直ぐ「正社員にどうしたらなれるか何がむいているのかわからない」来談目的にフォーカスする】
CC:お父さんの定年退職の話を聞いて、塩沢さんは正社員として安定した仕事に就きたいが、どうしたらなれるか何が向いているのか分からないので相談に来られたのですね。
CL:そうです。
【アプローチ2:今の仕事と正社員を絡める】
CC:今の郵便局のお仕事に5年勤められ、正社員の登用制度はないのでしょうか?
CL:あるんですが、アルバイト仲間の先輩が先月正社員登用の試験を受け、不合格になり「厳しかった」と言われ躊躇しているんです。
先輩は優秀で頼りがいがあり、あの先輩が落ちてがっかりしているのを見て迷っているんです。
CC:優秀な先輩が正社員試験を受けたが不合格になったのを聞いて、躊躇し迷っておられるのですね。
CL:はい。
【アプローチ3:今の仕事をどう思っているのか①自己概念②強みを絡める】
CC:今、郵便局では何をされているのですか?
CL:郵便配達員です。
CC:郵便配達員を5年続けられている(イメージしながら)のは何か理由がありますか?
CL:特にはありませんが、合っていると思っています。
【アプローチ4:「合っている」にフォーカスする】
CC:今の郵便配達員が合っていると思っていらっしゃるのですね。どんなところでしょうか?
CL:そうですね。キチンと時間内に効率よく回り配り終えるところです。
CC:一見シンプルそうで大変そうですが、どのような工夫をされているのですか?
CL:人より早く出社し、大まかには仕分けされているのですが、自分の区域を効率よく配るためにルート順に仕分けし直しているんです。
CC:そうすると郵便物一つひとつお客さんの名前が頭に入っている。・・・誤配達はありますか?
CL:誤配達は一度もありませんし、遅れたことも一度もありません。
CC:ミスなく時間内に正確に配り終える・・・塩沢さんが合っているとおっしゃった意味はそういったところにあるのですね。
CL:そうですね!配り終えると充実感がありますし・・・それがあるから続けているのかも知れませんね。
話の途中ですが、この先、正社員登用制度にチャレンジする一つの可能性が見えてきましたね。
まとめると以下の順に真直ぐ来談目的に添って進んでいますね。
【アプローチ1:真直ぐ「正社員にどうしたらなれるか何がむいているのかわからない」来談目的にフォーカスする】
【アプローチ2:今の仕事と正社員を絡める】
【アプローチ3:今の仕事をどう思っているのか①自己概念②強みを絡める】
【アプローチ4:「合っている」にフォーカスする】
いかがでしょうか?