カウンセリングの定義について

2024年02月17日 14:25

コーヒーカップ方式を命名された國分康孝著『カウンセリングの原理』を読んでいましたら、「カウンセリングの定義」の箇所が改めて考えさせられましたのでご紹介します。

カウンセリングとは、第一が「援助的人間関係」である。もう一つが「開発的カウンセリング」である。


援助とは何か、つまり何を援助するのかというと「行動変容」を援助する。

行動変容には、一つは問題解決。いわゆる治療的カウンセリングのめざす行動変容である。

もう一つは人間として、あるいは職業人としての成長。いわゆる開発的カウンセリングのめざす行動変容である。


カウンセリングでいう問題解決の「問題」とは、人生途上で誰もが遭遇し通過していく「問題」のことである。

第一は、生涯発達課題あるいはライフサイクルごとの問題。

第二は、生き方(life style)の問題。

第三は、選択の問題。


治療的カウンセリングのねらいが問題解決だとすれば、開発的カウンセリングのねらいはこれとは対照的に、問題の意識化ともいうべきものである。

「これからどんな人生を生きようとしているのか」「卒業してからどんな仕事をどんな考えで選ぶのか」と問うのが開発的カウンセリングの一例である。

いわゆる悩みがあるわけではないが、人間として、あるいは職業人として成長するのを援助する。


成長の援助とは何か。

①思考の変容:今まで考えなかったことを考えるようになる。ビリーフが修正される。洞察が起こる。

②行動の変容:今までしなかったことをするようになる。今まではできなかったことができるようになる。立ち振る舞いが変化する。スキルの学習。

③感情の変化:感情表現が豊かになる。あるいは逆に、感情のコントロールができるようになる。今までとはちがう感じ方ができるようになる。

 

以上を要約すると、カウンセリングとは、①問題解決の援助と、②パーソナリティ成長の援助のいずれかを主目標にした人間関係である。

いかがでしょうか。
改めてカウンセリングを考えると抱えていらっしゃるクライエントさん、論述試験問題上のクライエントの方向性が整理整頓しやすいと思います。