キャリアカウンセリングの進め方「その人固有の内的世界」について
塾生さんに言ってきましたが、このサイトを見て頂いている方に改めてキャリアカウンセリングの進め方の「その人固有の内的世界」について紹介します。
「ガイスバーズらは、…個別キャリアカウンセリングにおけるカウンセラーの行動あるいは役割を明確化した。
個別カウンセリングの意義は「二人と同じ人はいない」という人間の個別性に依拠している。
そのために、ここではカウンセラーは、クライエントの心理的側面、別の言い方をすれば、「その人固有の内的世界」に注目することによって、クライエントが自分自身への洞察を深めていくことを最優先する。…
それは内的世界に目を注ぐこと自体がカウンセリングの目的なのではないということである。
内的世界に目を注ぐとは、クライエントが何を思い、何を考え、何に悩み、何を願っているのかわかろうとすることである。
クライエントの内的世界に目を注ぐのは、クライエントの行動に関する最善の情報源は「行動の主体であるクライエント自身」であると考えるからである。
したがって、クライエントができるだけ、正確に自分を語ることができればできるほど、現実的に問題解決に役立つ情報が得られるのである。
そのためには、クライエントがカウンセラーへの信頼を深めてカウンセラーと自分自身に向かい合えることが鍵であるといわれる。
そして、クライエントが信頼感と安心感を深めていくためには、ロジャーズの言葉を借りるならば、「カウンセラーはクライエントの内的世界にとどまり、『あたかも』クライエントであるかのように」、クライエントの考えや感情、思い(情報)を理解することが鍵となる。」
「キャリアカウンセリング入門 人と仕事の橋渡し」渡辺三枝子+E.L.ハー著(2012年1月11日第13刷ナカニシヤ出版発行)より