Q7-4:トレーニングに伝え返しは必要か?

2023年12月07日 08:00

A7-4:以下の通り伝え返しの意味と効用から必要性を説明します。
(1)ロジャーズの「伝え返し」の意味
ロジャーズは「伝え返し」が〈感情の伝え返し〉ではなく、〈理解の確かめ〉とか〈受け取りのチェック〉であること。
その一方、クライアントの側から見れば、現在体験しつつあることの鏡を提供している。
その鏡に映し出され、別の人の目を通して見られた感情や個人的意味は、よりシャープになっていくとのことです。

(2)「伝え返し」の効用
・相手に話した内容(事実)を拾い伝える。
 そのことで、CLの話題に集中でき、CLの思いに寄り添える。
・CLの話した事実を伝えることにより、CLは安心して話せる(雰囲気になれる)
 CCが〈鏡〉を提供することで、CLは感情や個人的意味がより研ぎ澄まされる(シャープ)。
・伝え返した後、CL中心に次の展開へスムーズに移れる。
・これが出来ると、感情の確認、要約、自己探索への質問がスムーズに出せるとおもいます。

例えばこんな感じです。
CL:そうですね~。(えー)わりと最初から思ったのと違ったのですけど、(はい)。
 あのー最初は結構土日とかでも(えー)ランダムに休めるみたいに聞いてたんで(う~ん)
 そのつもりでいたんですけど、(う~ん)なんか、土日祝日は出ないといけないような状態(う~ん)、
 あっ最初からそうなんです。
CC:そうすると最初はある程度こちらが思うような曜日に休めると思っていらっしゃったんですね(はい)。
 ところが実際仕事に就いてみると土日祝も出ないといけない?(そうです)
 思ったように休みが取れず、非常にお忙しい?
CL:そうです。土日だけじゃなくて(はい)朝がすごく早い時が多くて(はい)朝3時に出勤とか・・・

(3)「伝え返し」の必要性
いかがですか、CLが話したいことが次から次へ移りCL中心に話が展開されて行くことがおわかりでしょう。
私はこの「伝え返し」ができることがキャリアコンサルタント面接試験合格のカギを握っていると思っています。
私の経験では
①言語的追跡ができるようになった。
②来談目的が頭に残るようになった
③主訴を追っかけられるようになってきた。
是非、トレーニングで「伝え返し」を身に付けてください。