CDA2次試験「3つの傾聴」その2

2015年10月12日 09:49

次もCDAの3つの傾聴をテキストのアイビーのマイクロ技法と照らし合わせまとめました。

2.傾聴(言語表現)いいかえ、反映、質問等
マイクロ技法の「かかわり技法」(上図黄色部分)には、「CL観察技法」「質問」「はげまし」「いいかえ」「要約」「感情の反映」「意味の反映」に種別され説明します。

・CL観察技法(言語):CLの言語によるコミュニケーション(キーワード、言語パターン、矛盾、込み入ったメッセージ等)を観察し、相手の波長に合わせたコミュニケーションを通じてCLとの関係に調和が生じます

・質問:質問は情報収集のためだけに行うのではなく、むしろCLの自己探索を深めるために使います。
〈質問の種類〉
①開かれた質問:「今日はどのようなことでおみえになりましたか?」「その点についてもっと話してもらえますか?」「具体的にはどんなものでしょうか?」「このことを話しながら、今、どんな風に感じていらっしゃいますか?」
②閉ざされた質問:「結婚していますか」「事務職について何年ですか」

・はげまし:「がんばれ」などと励ますのではなく、CLの語りを促す技法です。
 「それで?」「それから?」「たとえば?」「もっと続けて話して下さい」なども効果的です。
 ときには「沈黙」が価値のあるはげましになることもあります。

・いいかえ:CLが言ったことを正確に把握しているということをCLに伝える上で効果的です。
〈いいかえの効果〉
①CLに、CDAが今一緒にいて、CLの世界を理解しようとしていることを伝えることができる。
②CLの発言をより簡潔に整理することができる。
③CDAが正しく認識しているかをチェックすることができる。
また、いいかえは新しい話題への展開にも役立ちます。

・要約:いいかえよりも長い時間のCLの話をまとめることをいいます。
 要約により、CLの話のすべてを統合できるように援助します
 つまり、いくつかの発言をまとめそのエッセンスやテーマをとらえ、混乱したものを明瞭にするのに役立ちます
 正確な要約は、CLを尊重することにつながります。
〈要約する際のポイント〉
①正確に聴いていることを相手に示します。
②面談を通じて一貫したパターンの存在に注意します。
③全体のストーリーの中で、中心的な道筋には特に注意をはらいます。
〈要約のタイミングと効果〉
①はじめ:カウンセリングの目標を改めて認識させて、レディネス(*)を高める効果があります。
*レディネス:学習活動に効果的に従事することを可能ならしめる学習者の心身の準備状態をいう。
②CLの話が混乱しているとき:漠然としていた感情が1つにまとまりのあるものとして体験できるようになります。
また、CLの話が断片的で途切れがちであったり、沈黙が多くなったときには、それまでの内容を要約してみると、会話の発展につながります。

・感情の反映CLの情動(*)面に焦点をあててこれに「かかわる」技法です。
 CDAは、理論的背景に関係なく、CLが生活の中で感じる自身の情動を理解し、それに取り組めるよう援助することが求められます。
 CL個人の認知やその背景的なものから噴出する、特定の事柄や人物に対する多種の情動や感情に選択的にかかわることは、問題を深く掘り下げるということにつながります。
*情動とは恐怖・驚き・怒り・悲しみ・喜びなどの感情で、急激で一時的なもの。情緒。

〈感情の反映のためのステップ〉
①感情を命名します。実際に言語化された言葉を通して、または非言語のコミュニケーションを通して伝わってくるCLの感情を言語化します。
②CDAは「あなたは・・・と感じているように聞こえます」「・・・のように受け取れますが」というように、断定するのではなく、確認を含めた表現でCLの情動を指摘します。
③いいかえと併用し、状況を特定しながらさらに明確にします。例えば、「あなたは・・・のとき・・・と感じるようですね」など
④面接場面において即座に「今のここ」の感情を指摘し、それに働きかけることができれば、最も有効なものとなります。

・意味の反映:体験に隠された真髄、「意味」を探求することを促します。
 意味は感情と同様に、あるいはそれ以上に、個人の生きざまを形成する基礎となっています。
 そして、内言(*)を使って比喩(ひゆ:たとえ)的に自分自身に語りかけ(自問自答)、秩序立てるのです。
 言い換えると意味づけをすることにより、出来事を自分の人生のあらすじとして取り込むのです。
*内言(ないげん):発声を伴わずに自分自身の心のなかで用いる言葉。

〈意味の反映のための技法〉
①CLの言葉、表明される価値意識や態度(CLにとって大切なこと)に注目します
②CLが最も大切な側面を述べていると思われるもの、もしくは、拘りを述べていると思われるものが見えてきたら、CLの言葉「キーワード」を用いて、その表現したことをとらえます。
③「意味」「価値」「意図」などを用いて明確にします。
「それはあなたにとってどんな意味をもちますか?」「それはあなたにとって重要なのですか?」「ここで話したことで重要だと思われるものは何ですか?」「あなたには、どんな意図があってそうしたのですか?」
④CDAは、決めつけずに自分の聞き方があっているかをチェックします。

3.傾聴(かかわり方) 共感、受容的態度、好意的関心
これはCL中心療法の「3つの態度」をご参照ください。

「CL観察技法」がどっちに入るか迷いましたが、傾聴(非言語)と傾聴(言語)に分けて記述しました。
また、「感情の反映」と「意味の反映」はCDA2次試験の「自己探索の支援」とかぶったところが多いですね。

こうやって書いてみると3つの傾聴はCDA2次試験ではマスターすべき必須技法だと思われませんか?

(つづきはこちら)